長野県小谷村の白馬乗鞍岳東斜面で雪崩が発生し、バックカントリーをしていた外国人5人が巻き込まれ2人が死亡するという事故が発生しました。
死亡された男性の1人がアメリカの元フリースタイルスキー世界チャンピオンのカイル・スメインさんであると報道されました。
雪崩が発生した場所はどこなのか調べてみました。
カイル・スメインは2015年の世界選手権フリースタイルスキー王者
スメインさんは2015年の世界選手権(国際スキー連盟主催)フリースタイルスキー男子ハーフパイプで優勝しています。
2018年にはワールドカップの同種目で優勝するなど実績のある選手でした。
米スキー・スノーボード協会も公式SNSで「私たちは素晴らしい人で友人、スキーヤー、チームメートを山で失った」とコメントを出されています。
2022年11月に結婚されたばかりだったカイル・スメインさんの奥様は、SNSで次のようにコメントされています。
「あなたと結婚できたこと、私の人生にあなたがいることにとても感謝しています。あなたは私が今まで会った誰よりもスキーが好きでした」
「あなたは私が会った誰よりスキーを愛していました。きっと日本では人生で最高の滑りをしたのでしょうね。大好きなことをしていたあなたを、責めることなどできません。また会えるのを楽しみにしています」
事故発生時は直前まで雑誌の撮影をしていた
アウトドア雑誌「マウンテン・ガゼット」の撮影の最終日に事故は発生してしまったようです。
雪崩が発生する前までは撮影を行なっており、同行した写真家たちは先に宿舎に戻った矢先のことだったと報道されていました。
カイル・スメインさんは、米企業のシーズン券サービス「アイコンパス」と長野の観光団体のマーケティングのため日本に滞在していたとも報じられています。
直前まで自身のSNSに投稿されていた映像が悲し過ぎますね。
インスタグラムの投稿にはコメントで、木々の中を滑る動画をつけながら、日本のスキー場の雪質や楽しい地形などを絶賛し、
「これがあるから、私は毎冬日本にくるんだ」
とつづっていました。
雪崩の発生した事故現場は白馬乗鞍岳の東斜面
今回の雪崩が発生した現場は、栂池スキー場の上部に位置する登山道につながるエリア。
もちろん夏は営業している栂池自然園へのロープーウェイも冬季は休業しておりスノーシューなどで歩いて登らないといけません。
今回事故に遭われた方たちはプロのスキーヤーで毎年日本に来られていたとの情報もあります。
ただ2組の外国人グループがいたようで、誰かが雪崩を誘発してしまった可能性がありますよね。
夏の地形を知らないとどこに雪庇ができているのか分からず、足を踏み込んでしまう危険はあります。
仲間のアメリカ人スキーヤーのアダム・ユーさんも今回の雪崩に巻き込まれ救助されるまでの約25分間、深さ1.5メートルの場所に埋もれていたと証言しています。
おそらくですが、入山届を提出し、ビーコンなどの装備を行なっていたのでしょう。
装備をしていても、雪崩の恐ろしさには勝てないです。
以前に、カップルでコース外の場所でボードを楽しんでいたところ雪崩に巻き込まれ、足が引きちぎれて板だけが流れてきたという話も聞いたことがあります。
本当に恐ろしいと思うのですが、なぜかリスクを背負ってもバックカントリーに憧れる人たちは後を絶たないですね。
まとめ
地元の人間であれば、雪崩の発生しやすい場所だとわかっていたのではないでしょうか。
長野県白馬村、小谷村の雪質はパウダースノーでそれを目的に海外からの観光客も増えています。
今年は特に例年より年末年始にかけ降雪量が少なく、雪崩発生前にドカ雪が積もったことで表層雪崩を引き起こしたのではと言われています。
毎年のように冬になると遭難者や雪崩による事故が発生していますが、昔のように慣れた地元のスキーヤーがボランティアとして点検しにいくことも減っているように思います。
自然を楽しむのは悪いことではありませんが、危険と隣り合わせだという覚悟が必要ではないでしょうか。
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