日本のパワースポットとして、また世界遺産でもある高野山の名前は聞いたことがあると思います。
高野山に行かれた人はご存知だと思いますが、あの独特とした空気はこの世と異世界の狭間にいるような錯覚にさえ陥ってしまいます。
高野山の中でも奥之院と呼ばれる場所がありますが、ここには数々の有名武将の供養塔が立ち並んでいます。
敵対した武将の名前が所狭しと奥之院に立ち並んでいるので見応えはありますね。
その供養塔は本物の墓なのか気になりますよね。
また奥之院にわざわざ供養塔を建立した理由についてまとめたので紹介します。
高野山は弘法大師(こうぼうだいし)空海によって開かれた日本仏教の聖地
高野山は、1200年以上前に弘法大師(こうぼうだいし)・空海によって開かれた日本仏教の聖地の一つです。
標高約900メートルの山上に広がる盆地には、117もの寺院が立ち並び、その多くは宿坊を兼ねています。
小学生の頃は、宿泊体験として宿坊に泊まった記憶がありますが夜中にトイレに行くのが怖かった記憶が残っています。
そして弘法大師は、現在でも生き続けていると信じられており毎日食事が運ばれています。
生身供(しょうじんぐ)といい、毎日6時と10時半に行われ、一般の人もその様子を見ることができますが、おすすめは神秘的な早朝時間ではないでしょうか。
朝霧に包まれた奥之院で人気もまばらな中で執り行われる生身供は神秘的です。
奥之院に並ぶ戦国武将の供養塔は本物の墓なの?
戦国武将の墓は、高野山以外の場所に存在しています。
なので、奥之院に建立されているのは、供養塔で実際に骨が埋葬されているわけではないようです。
奥之院に供養塔が建立された理由について情報をまとめてみました。
極楽浄土信仰によるもの
極楽浄土がこの地にあると本当に信じて、この地に供養塔を建立したのでしょうか。
当事者は亡くなっているので、遺言でも残したのか、後々に子孫によってまたは家臣によって建立されたのかもしれません。
しかし、敵対同士であった武将の墓が近くに建てられており、喧嘩しないのかと案じてしまいます。
誰もが平等であるべき教えによるもの
真言宗の教えの基本は「即身成仏」です。
これは、仏と同じように行動し、心を清く保つことで、誰でもすぐに仏になれるという意味です。
そのために、前述した密教の修行がとても大切になります。
密教の修行には、体の修行である身密・言葉の修行である口密・心の修行である意密の3つがあり、これを合わせて「身口意(しんくい)の三密修行」と呼んでいます。
空海が書いた「即身成仏儀」には、六大・四曼・三密の3点から即身成仏に達するための手法が書かれています。
六大とは、火や水・風などの物質を表す五大に、精神を意味する識を加えています。
四曼とは、大マンダラ・三昧耶マンダラ・法マンダラ・羯磨マンダラをさします。
マンダラとは、悟りの境地を絵で示したものです。三密とは身口意です。
これらが真言宗の重要な骨組みを成しています。
真言宗の根本となる仏様は、大日如来です。大日如来は全ての徳を備えていて、全ての仏様は大日如来が姿を変えたと考えられています。
そのため、たいてい仏壇の中央に大日如来を祀ってあります。
誰もが、同じように心を清く保つことで誰でもすぐに仏になれるという意味のようです。
戦国時代に、大勢の人を殺し怨み戦ってきた武将も、人として信心を忘れることはなかったのか、死んでも己の野望を果たそうとしているのか今となっては真実はわかりませんが…
それでも、はるばる遠い信州の地から山こえ谷こえ更に山奥まで墓石を運び上げてきたのでしょうか。
昔の世もと言っていいのかわかりませんが、宗教との繋がりは濃かったと思われます。
56億7000万年後の大イベントに備えて
弘法大師が即身仏となって待つ弥勒菩薩は、京都の広隆寺で国宝に指定されている仏様のことです。
この弥勒菩薩にはとある予言が古くから伝わっています。
仏陀が入滅されたのち、将来仏となってこの世にあらわれて法を説き、衆生を救う約束がなされているのが弥勒菩薩で、すでに将来仏となることが約束されていますので、菩薩ではなく「弥勒仏」ともいわれます。
ただいま兜率天(とそつてん)において修行、思念中であるとされています。
しかし、その弥勒菩薩、弥勒さまが救世仏(きゅうせいぶつ)として兜率天からこの世に出現するのは、釈迦の入滅後の56億7千万年後であると言われおり、その教えを信じていた人たちによってこの地に建立されたのでしょうか。
まとめ
高野山の奥之院に建立された戦国武将の墓は本物なのかについての情報をまとめてみました。
高野山という場所はなんともいえない神秘的な場所であり、弘法大師様がまだ生きていると言われれば、頭の中ではそんなことはあり得ないと理解していても、なぜか奥の院のさらに奥に進んでいくと橋があります。
その橋を渡った先に魂が生きているのでしょうか。
まだ訪れたことがない方で興味がある方は是非宿泊を兼ねて、早朝の奥の院の雰囲気を楽しんで欲しいです。
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